英語を教えていると、イギリス英語とアメリカ英語について、よく聞かれる質問があります。
どっちを学べば良いの?
どちらを学んだほうが得ですか?
確かに、気になりますよね。
これは私の意見ですが、いつも、このように答えています。
どっちでも大丈夫です。
好きな方を学んでください。
ちょっと無責任な回答ですね
でも、『どっちでも良い』と答えているのには理由があります。
私はイギリスとアメリカ両方に住んだことがありますが、イギリス英語 / アメリカ英語が原因で損をしたり、会話が成り立たないほど困ったりしたことはありません
むしろ、日常的なあいさつや電話の切り方も違ったりするので、新しい発見があって面白いです。
今回は『なぜ、どっちの英語を学んでも良いと思うのか』について、私の考えを書いています。
Contents
アメリカ英語とイギリス英語
ご存じの方も多いかもしれませんが、アメリカ英語とイギリス英語は、
発音
単語の綴り
使う言葉や表現
など、同じ”英語”でも違うところがたくさんあります。
どちらかの英語を学んだ後に、もう片方の英語が使われている国に行ったり、発音・表現を聞いたりすると、違いに少し驚くかもしれません。
しかし、TOEICなど英語のテストにも複数の国の英語が盛り込まれているように、標準的なイギリス英語・アメリカ英語であれば、相手の言っていることが全くわからなかったり、自分の英語が全然通じなかったりすることは有りません。
単語の綴りの違いに関してはパターンがあるので、慣れてくると、だいたい想像がつきます。
同じ単語でも違う意味で使われているものもありますが、予備知識がなくても、文章や会話全体の流れがわかっていれば、そんなに困ることはありません。
一番戸惑うのは、「アメリカ英語だから…」「イギリス英語だから…」というより、相手の訛りがきつかったり、スラングばかりで話していたりするときです。
この問題を解決するには、色々な訛りに慣れて、スラングをたくさん学ぶしかないので、最初に基礎を学ぶのは『イギリス英語・アメリカ英語』どちらでも良いと思うのです。
日本の学校で習うのはアメリカ英語が主流ですが、ヨーロッパの国々ではイギリス英語が一般的だったり、オーストラリアや香港などの英語は歴史的な背景からイギリス系の英語だったりします。
出身地や世代・グループによる言葉の違い
例えば、日本でも各地に方言があるように、アメリカやイギリスでも自分や家族の出身地によって訛りがあります。
さらに、世代や所属するグループ・階級などにより、使われる言葉・表現も違います。
また、大都市や大学の多い学生都市には、地方や世界各国から人が集まって来ているので、1種類の英語しか話されていないということは、有り得ません
なので、基礎は出来ているのに、相手の英語がわからなくて困る時は『イギリス英語か?アメリカ英語か?』とは、違う部分に原因があるように思います。
日本で、
- 女子高生の使う言葉
- ネット上で使われている単語
の意味がわからなかったり、
- 青森のおじいちゃんのインタビュー
が、字幕を見ないと何を言っているのか、よくわからない状態に似ているかもしれません。
それがわからなくても日本で生きていくのに支障はないので、英語に関しても、まずは標準的な『イギリス英語』『アメリカ英語』のどちらかが身についていれば、心配しすぎる必要はないです。
どっちを学ぶか、選ぶ方法
赴任先や留学先が決まっている人は、その国の英語を学ぶのが自然かもしれませんが、そうでもなければ何英語を学ぶか、迷いますよね。
ここでは『イギリス英語か?アメリカ英語か?』どちらを学ぶか、選ぶ方法を3つまとめました。
違いを比べてみる
YouTubeで『アメリカ英語 イギリス英語』『British and American English』などと検索すると、発音や単語・表現の違いをまとめた動画がたくさん出てくるので、視聴して気に入った方を学ぶのも良いと思います。
「まだアメリカ英語とイギリス英語について、違いがよくわからない」という方は、以下の方法も参考にしてみてください。
カッコイイと思う方にしてみる
好きな有名人が話している英語や、好きな小説・映画の舞台になっている国の英語を学んでも良いと思います。
また、『イギリス英語のアクセントはセクシー』だと言われていて、実際に、有名なアメリカ人女優・歌手、セレブの旦那さん&恋人はイギリス人が結構いるので、モテたい男性はイギリス英語を学んでも良いかもしれません
英語の教材や先生で決める
いざ、『イギリス英語を学ぼう!』と意気込んだところで、日本で売られている本やオンライン教材などは、アメリカ英語に基づいているものが多いので、イギリス英語を日本で学ぶ時は、自分に合った教材を見つけるのに少し苦労するかもしれません。
また、学校や英会話の先生がイギリス人 / アメリカ人だった場合、その先生の国の英語を学んだほうが効率が良いと思います。
大切なのは、基礎を学ぶこと
英語を「読む・書く・聞く・話す」の基礎を身につけておけば、どこの国に行っても、新しい単語や表現を吸収しやすいです。
『英語を話す』については、基礎的な音の出し方(発音)を学ぶことを強くお勧めします。
母国語(日本語)の訛りでもないのに、
舌を巻いて、自分の思っているアメリカ英語風に話したり
雰囲気を真似て、イギリス英語風に発音したり
すると、意図していなくても、相手に不愉快な思いをさせてしまうかもしれません。
何英語の発音を学ぶにしても、まずは1つ1つの音の出し方から練習してみてくださいね
まとめ
- イギリス英語とアメリカ英語、どちらを学んでも損はしない
- どこの国でも、世代や出身地による言葉・表現の違いがある
- 何英語を学ぶとしても、まずは基礎を身につけることが大事